「子供や孫への資金援助、今年分は済ませましたか?」
「お正月、久しぶりに家族全員が集まる予定がある。」
12月は、相続税対策の基本である「暦年贈与(れきねんぞうよ)」の締め切りの月です。1日でも遅れると、今年の非課税枠(110万円)は消滅してしまいます。
本記事では、那覇市・沖縄県で相続対策をお考えの方に向けて、12月末までに完了すべき贈与の手続きと、年末年始の帰省シーズンに家族で話し合うべきポイントを解説します。
12月末がリミット!「暦年贈与」の基本ルール
生前贈与の最も一般的な方法が「暦年贈与」です。
受贈者(もらう人)1人につき、年間110万円までなら贈与税がかかりません。
【重要】期間は1月1日から12月31日まで
この110万円の枠は、年をまたいで繰り越すことはできません。
今年の枠を使い切るには、12月31日までに相手の口座へ着金(入金完了)している必要があります。
※銀行の年末年始営業日によっては、振込手続きをしても翌年扱いになる可能性があるため、早めの手続き(12月中旬〜25日頃まで)を強くおすすめします。
ただ振り込むだけではNG?贈与を否認されないための3つのポイント
「通帳にお金を移したから大丈夫」と思っていても、後々の税務調査で「これは贈与ではなく、預金の名義を変えただけ(名義預金)」とみなされ、多額の相続税がかかるケースがあります。
確実に「贈与」として認めてもらうために、以下の3点を守りましょう。
1.通帳・印鑑は「もらう側」が管理する
親が子供名義の通帳を作り、印鑑も親が管理している場合、それは「名義預金」とみなされます。
贈与を受けたお金は、子供や孫本人が普段使っている口座に振り込むか、通帳と印鑑を本人が自由に使える状態で管理させることが必須です。
2.贈与契約書を作成する
口約束でも贈与は成立しますが、税務署への証拠として「贈与契約書」を作成し、保管しておきましょう。
「いつ・誰が・誰に・いくら贈与したか」を明確にし、双方の署名・押印を残します。
3.定期贈与とみなされない工夫をする
毎年同じ日に同じ金額(例:毎年12月25日に100万円)を何年も続けると、「最初から総額1,000万円をあげる約束だった(定期贈与)」とみなされ、課税されるリスクがあります。
「契約書をその都度作成する」「時期や金額を少し変える」などの対策が有効です。
※制度改正について(生前贈与加算の期間延長)
2024年(令和6年)以降の贈与から、相続発生時に相続財産に持ち戻す(足し戻す)期間が、従来の「3年」から段階的に「7年」へと延長されています。
「亡くなる直前に慌てて贈与する」対策の効果は薄まっているため、元気なうちから早めに開始することがより重要になっています。
【重要】2024年からの大改正!「暦年贈与」だけでは損をする?
最近のニュースで「暦年贈与の持ち戻し期間が3年から7年に延長された(増税)」という話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実はそれ以上に実務上のインパクトが大きい「減税(緩和)」方向の改正が同時に行われていることをご存知でしょうか?
ここを見落とすと、将来の相続対策で数百万円〜数千万円単位の損をする可能性があります。
特に重要な3つのポイントを、税理士の視点で解説します。
1.相続時精算課税制度に「年110万円の基礎控除」が新設
これが今回の改正で最も注目すべきポイントです。
従来、「相続時精算課税制度」は、一度選ぶと少額でも申告が必要で、最終的にすべて相続財産に足し戻されるため、「使い勝手の悪い制度」と敬遠されがちでした。
しかし、2024年(令和6年)1月1日以降、この制度に「年110万円の基礎控除」が新設されました。これにより、暦年贈与よりも有利になるケースが激増しています。
- 申告不要:年間110万円以下の贈与であれば、贈与税の申告は不要です。
- 足し戻し不要:年間110万円以下の贈与部分は、相続発生時に相続財産に足し戻す必要がありません(完全に非課税で切り離されます)。
- 期間制限なし:暦年贈与のような「死後7年間の持ち戻し」というルールが、この基礎控除部分には適用されません。いつ亡くなっても、過去の110万円以下の贈与は無効になりません。
プロの視点:
高齢の方や健康に不安がある方の場合、「7年間の持ち戻しリスクがある暦年贈与」を続けるよりも、「リスクゼロの新・相続時精算課税」へ切り替えた方が、節税効果が高くなる可能性があります。
2.マンションの相続税評価額のルール変更
いわゆる「タワマン節税」封じと呼ばれる改正です(2024年1月1日〜)。
これまでは、マンションの「市場価格」と「相続税評価額」の大きな差を利用して節税が可能でしたが、今後は一定の計算式に基づき、市場価格の6割程度まで評価額を引き上げる補正計算が義務付けられました。
「マンションを買って子に贈与しよう」と考えていた方は、節税効果が以前より圧縮されているため、試算のやり直しが必要です。
3.教育資金・結婚子育て資金の一括贈与(要件厳格化)
孫などへの一括贈与の特例措置は延長されましたが、資産5億円超の富裕層にとっては「締め付け」が強化されています。
- 従来:贈与者(祖父母)死亡時、孫が学生等であれば、残額(使いきれなかった分)には課税されませんでした。
- 改正後:相続税の課税価格が5億円を超えるような富裕層の場合、たとえ孫が学生であっても、管理残額に相続税が課税されることになりました。
年末年始はチャンス!家族で話しておきたい「相続」のこと
お正月やお盆など、家族親族が集まるタイミングは「相続会議」の絶好の機会です。
深刻になりすぎず、未来の話として以下の点を確認してみてはいかがでしょうか。
- 財産の棚卸し:どこの銀行に口座があるか、保険証券の場所など(デジタル遺品の確認も重要です)。
- 不動産の今後:沖縄の実家(土地・建物・軍用地など)を将来誰が継ぐか、売却するか。
- 親の意向:介護が必要になった時の資金計画や、延命治療の希望など。
「縁起でもない」と敬遠されがちですが、親が元気なうちに意向を聞いておくことが、将来の「争族」を防ぐ一番の特効薬です。
沖縄・那覇での相続・贈与相談は袖野会計へ
「うちは贈与税がかかるの?」「契約書の作り方が分からない」という方は、税理士法人袖野会計にご相談ください。
沖縄特有の財産事情(軍用地や位牌継承など)も踏まえ、お客様の家族構成に合った最適なプランをご提案します。
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電話番号:098-979-7221
まとめ
今年の暦年贈与は12月31日までです。銀行の最終営業日にご注意の上、確実に手続きを済ませましょう。
また、年末年始にご家族で相続の話が出た際は、ぜひ年明けに初回相談をご利用ください。早めの対策が、大切なご家族と資産を守ります。


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